JCMTについて

About

JCMTとは

東南アジア諸国をはじめとする発展途上にある国々では、近年、急速に経済開発、社会開発が進められていますが、医療面においては未だ先進諸国との間で大きな差があります。特に、医療技術に関しては、医学研究機関の不足、医療情報や医療機関の遅れ、指導者の不足等により、最新の医療技術を習得する機会が乏しく、技術水準の向上を図る上でのネックになっています。

この様々な状況を克服して、途上国の医療技術水準のレベルアップを図るためには、これらの国々の医師を日本に招いて、最新の医療設備と最先端医療技術を有する医療機関において医療技術の研修を実施する医師受入研修が、最も有効な手段になると思われます。

一方、我が国の医療の歴史を振返ってみますと、第二次大戦後、優れた医療技術を有する米国に、若い医師がかなりの数、留学し、新知識、新技術を導入するのに重要な役割を果たし、それ等も基礎として今日の日本の医療水準が確立されました。この様な歴史認識から、1980年頃には次は日本が東南アジア他の途上諸国の為に同様の役割を果たすべきとの機運が高まり、当事業はスタートしました。

この医師受入研修では、招聘医師に滞在期間中の経済的不安を取り除き安心して研修に励む機会を提供すると共に、その生活を通じて日本と日本人に対する認識と理解を深めてもらう絶好の機会を提供することにもなります。夫々の国の社会的リーダーでもある医師に真の意味の知日家、親日家になってもらい、それ等の国々と日本との友好関係を促進するという目的も当事業は併せ持っています。

事業の仕組み

JCMTは協賛企業と虎の門病院、および一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)で構成され、各代表者による「評議委員会」が設置されています。
事業計画と予算は毎年度の評議委員会で審議され、この決定に基づきAOTSが虎の門病院に対して当年度の事業を委託します。

評議委員長メッセージ

毎年7月、2ヶ月間の研修を終えた研修生と虎の門病院の先生方、協賛企業の代表者、一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)の方々等関係者が集まって打ち上げのパーティーが行われる。研修生のホッとした明るい笑顔と虎の門病院の先生や事務局スタッフとの心温まる交流を目にする度に、私は、何にも代えられない充実感を味わう。そして、日本も明治以来、欧米先進国からこのように沢山のことを学びながら今日を迎えたのだろうとの思いを新たにする。

研修生の日本関係者への謝辞と自国の医療水準向上への熱い思いのスピーチを聞きながら、この事業の歴史の重みを感じる。こうした事業の一つ一つの積上げが発展途上国の近代化を支え、また、それを通じて培われる日本への信頼感こそが日本の真の力になっていくのだと思う。

関係者のご理解を頂きながら、この事業が末永く続いて欲しいと切に願う。

評議委員長

■ 評議委員長渡辺 修

石油資源開発㈱特別顧問
元通商産業事務次官
元日本貿易振興機構理事長